みなさんこんにちは!GASおじさんです。
「GASでスプレッドシートを自由自在に操るためのスキル習得講座」の第3回です。
前回の記事はこちら。
前回まででスプレッドシートのセルに値を入力するsetValueメソッドとsetValuesメソッドについて学びました。
今回からは、そんなsetValueやsetValuesと対をなす存在、getValueメソッドとgetValuesメソッドについて学習していきます!
2つの違いを簡単に説明すると、以下のようなかんじです。
- セルに値を入力するためのメソッド・・・setValue, setValues
- セルの値を取得するためのメソッド・・・getValue, getValues
今回と次回にかけて、getValue(単数形)とgetValues(複数形)について解説していきます。
今回は単数形のgetValueメソッドについてやっていきましょう!
セルの値を取得するgetValueメソッド
まずは下準備として以下のようなシートを用意してみてください。
- A1セルに「あいうえお」
- A2セルに「かきくけこ」
- A3セルに「さしすせそ」
という文字を入力しています。
では、この状態で次のコードをエディタにコピペして実行してみてください。
function myFunction() {
const ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
const sheet = ss.getSheetByName('シート1');
const value = sheet.getRange('A1').getValue();
console.log(value);
}
すると、以下のような画面になりました。
画面右下に「実行ログ」という画面が出てきましたね。
この実行ログ画面で、console.log
のカッコの中に入力されたデータについて教えてくれます。
console.log(value)
とすると、「変数valueには今どういうデータが入ってますか?」ということを教えてくれるのです。
今回の場合、実行ログに「あいうえお」と出ているので、変数valueには「あいうえお」という文字が入っていることが確認できます。
しつこいようですが、変数とは「箱」みたいなものでしたね。その箱の中に何が入っているのかを教えてくれるのがconsole.log
です。
ではなぜ、変数valueは「あいうえお」なのか。変数valueは以下の4行目で定義されています。
function myFunction() {
const ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
const sheet = ss.getSheetByName('シート1');
const value = sheet.getRange('A1').getValue();
console.log(value);
}
ここで今回の主題であるgetValueメソッドが使われています。
sheet.getRange('A1').getValue();
とすることで、「A1セルの値を取得してください」という意味になります。
では、A1セルは何が入力されていたかというと、「あいうえお」という文字でしたよね。
この文字が取得された結果、ログ出力に「あいうえお」と出てきた、というわけです。
したがって、以下のようにA2セルの値をgetValueすると、
function myFunction() {
const ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
const sheet = ss.getSheetByName('シート1');
const value = sheet.getRange('A2').getValue();
console.log(value);
}
以下のように、「かきくけこ」という値を取得できます。
また、getRangeメソッドの範囲指定は、番地で指定することも可能です。
getRangeメソッドの範囲指定では、
getRange('A1')
のように、「A1記法」で範囲を指定する方法getRange(1, 1)
のように、「何行何列目」という番地で範囲を指定する方法
の2つがあるんでしたね。
getValueで値を取得してsetValueで値を入力してみよう
それでは、これを利用して、「getValueで値を取得して、setValueで別のセルに値を入力する」ということをやってみましょう。
以下のコードをエディタにコピペして実行してみてください。
function myFunction() {
const ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
const sheet = ss.getSheetByName('シート1');
const value = sheet.getRange('A1').getValue();
sheet.getRange('C1').setValue(value);
}
実行後スプレッドシートを確認すると…
C1セルに「あいうえお」と入力されているのが確認できました。
この動きは、以下の2ステップで成り立っています。
const value = sheet.getRange('A1').getValue();
でA1セルから値を取得し、valueという変数に代入するsheet.getRange('C1').setValue(value);
でC1セルに変数valueの値を入力する
つまり、コピー&ペーストです。
A1セルの値をコピーして、C1セルにペーストする。
この動きをGASで実行した、ということですね。
では、以下のプログラムも実行してみましょう。
function myFunction() {
const ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
const sheet = ss.getSheetByName('シート1');
const value = sheet.getRange(2, 1).getValue();
sheet.getRange(2, 3).setValue(value);
}
これは、「2行1列目(つまりA2セル)の値を取得して、2行3列目(つまりC2セル)に入力する」という意味のコードですね。
なので実行した結果、C2セルに「かきくけこ」と入力されます。
やってることは、「A2セルをコピーして、C2セルにペーストする」という至極単純な内容ですね。
まとめ
以上、「getValueで値を取得して、setValueで値を入力する」方法について解説しました。
今回は比較的簡単な内容だったのではないでしょうか?
やってることは単純な「コピー&ペースト」なので、「わざわざプログラム化してやることか?」と思うかもしれませんが、これが基礎的な知識となってくるので、意外と重要です。
甘く見ることなく、しっかり理解に努めましょう。
次回はより難しい複数形のgetValuesメソッドについて学習していきます。
以下をクリックして次に進みましょう!
連載目次: GASでスプレッドシートを自由自在に操るためのスキル習得講座
- 【GASの始め方】まずはスプレッドシートの操作から始めてみよう
- 【GASの始め方】setValuesで複数のセルに値を入力しよう
- 【GASの始め方】getValueで値を取得してsetValueで入力しよう
- 【GASの始め方】getValuesで複数のセルの値を取得しよう
- 【GASの始め方】getValuesして別のシートにsetValuesしよう
- 【GASの始め方】応用問題で関数について学ぼう
- 【GASの始め方】繰り返し処理の「for文」を習得しよう
- 【GASの始め方】flat()でループさせる配列を自動生成しよう
- 【GASの始め方】for文とif文でデータ抽出して配列を生成しよう
- 【GASの始め方】TextFinderで行と列を特定しよう
- 【GASの始め方】オブジェクトとメソッドについて学ぼう
- 【GASの始め方】リファクタリングで生成AIを活用しよう
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